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今朝、運転再開された電車でようやく寮に帰り着いた娘は、
その寮の惨状を見て涙が止まらなかったと言います。 愛着のあった建物の壁の亀裂、 割れた窓や落下物で足の踏み場もない部屋… ただ帰り着けたことでそれまでの張り詰めた緊張が溶け いつもの気丈な娘が自分を許した瞬間だったのかもしれません。 100人程の女学生で賑わう学生寮も 春休み中の閉寮時期でもあり、 就活で特別に留まった友人達は10数名だったそう。 昨夜は未だ帰らない娘達を心配しつつ 一部屋に身を寄せ合うように休んだという乙女達。 帰り着いた娘を玄関で迎えてくれた彼女達は、 みな抱き合って号泣したと言います。 故郷を離れ3年この寮で暮らす娘は、 家族に勝る絆をこの仲間達としっかり築きながら 今日があるということを 娘の声を聞きながら 改めて思い知らされる私でした。 昨夜は帰宅困難者に開放された大学の構内で過ごしたのだそう。 椅子が固くて一睡も出来なかったと言うけれど、 明かりのある温かい部屋で多くの人と不安を共に出来た娘は幸せでした。 「東京の人は皆親切にしてくれるから心配しないで良いよ。」 と言う娘の声には、悲壮感は漂っていない。 昨日、大きな揺れで緊急停車した電車は、 ホームからしばらく走った地点が幸いして、 娘達乗客は大きな混乱もなく電車を降りたらしいのです。 その降り立った直後の大きな余震に 思わず一人乗車していた下校中の女の子を抱き寄せたそう。 その、とっさに出た自分の行動にはびっくりしたと。 土地勘のあるとおっしゃった偶然隣り合わせたご婦人に頼りながら その小1だという女の子を歩いて自宅まで送り届け 友人も留まっているという大学まで 余震を感じながらそのご婦人と何駅分も歩いたのだと。 そのご婦人が傍らにいてくださったことは 不安だった娘やお嬢ちゃんにどれ程の安らぎを与えてくださったことか。 「お菓子も下さったの。」と優しさが身にしみた様子を話してくれました。 むき出しの惨状が明らかになっていく中 未だ続く余震 解除されない津波警報 原発への不安 増えていく被災者の数 あたりまえの明日が迎えられることが 実は特別だと思える日々にただ感謝しています。
by petitmugi
| 2011-03-12 22:51
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