人気ブログランキング | 話題のタグを見る

イラストと手仕事のある暮らし。毎日が喜びの日々となりますように。
by petitmugi
台風一過の月夜
昨夜のこと。
4日目の暗い夜を数えながら 
今夜も電気はこないのだろうかとあきらめていた頃
突然 部屋がぱっと明るくなり テレビから楽しそうな音声が飛び込んできて
そのうれしかったことといったら。

まず お礼を申し上げたい気持ち。
度重なる台風に 夜を徹しての復旧に当たられる関係者の方々のご苦労に
感謝の気持ちでいっぱい。
家屋や農作物等 様々な災害に合われた方々にも 
一日も早く普段の日常が戻って来られることを 
ただ願っております。
台風一過の月夜_d0175338_8512393.jpg

台風一過の翌日は うそみたいに晴れ上がった空があって
それと対照的に ダメージを受けて傷んだ樹木や田畑
倒木や折れた枝で狭くなった道幅が
荒れ狂った自然の猛威を見せつけておりました。

台風がやってくる度におきまりになった停電にもすっかり慣れていて
ガラス戸の向こうの月明かりは ぼんやりと部屋を照らしていました。
十五夜の月が これ程嬉しかったのは初めてだと思うのです。
庭に出て その有難い月を夫とどれくらい眺めていたでしょうか。

台風一過の月夜_d0175338_852851.jpg

こんな日でも ガスが使えるって本当にうれしい。
お豆腐と上新粉 白玉粉を適当にこねて作ったお団子でお月見も出来ました。
ススキやハギ おみなえしなんて どこを探しても見当たらないけれど
そこら辺のカヤを刈り取って小さく生けて 精一杯のお飾りです。 
台風一過の月夜_d0175338_8524011.jpg

冷凍庫の豚ひき肉で作った肉団子に 千切りしたキャベツの衣を着せて
いが栗に見えないかなぁ。
台風一過の月夜_d0175338_8525279.jpg

台風の気苦労で疲れた心を お団子が癒してくれました。
台風一過の月夜_d0175338_8532274.jpg

焼き団子?磯辺団子?というのでしょうか
夫のリクエストは 醤油を塗って焼くシンプルな『しんこ団子』
故郷の懐かしい味がします。

それからの3日間 長引く停電を覚悟して台所への引きこもりが始まりました。 
台風一過の月夜_d0175338_8533553.jpg

冷凍室の白身魚は たたいてすりつぶして ごぼうや人参が入ったさつま揚げに。

台風一過の月夜_d0175338_8535233.jpg

冷蔵室の生豆腐は よく水気を切って揚げ豆腐に。

実家から送られてきた玉子はお菓子作りに役立てたかったけど
ゆで卵になって『おでん』になりました。
でも 大根の入っていない『おでん』は
『おでん』の味になりきれていませんでしたけど。

台風一過の月夜_d0175338_854343.jpg

鍋で炊いたご飯に新落花生を足したきんぴらごぼうを添えてみたり。
台風一過の月夜_d0175338_8541457.jpg

温めなおしには 蒸し器がとても役に立ってくれて
コンロにかけたついでに 私はいろいろなものを蒸していました。
台風一過の月夜_d0175338_8542449.jpg

蒸しパンに バニラ紅茶の葉を入れて 甘い香り漂うおやつに。
台風一過の月夜_d0175338_8543340.jpg

小さなプリンカップに 小さく蒸して。

イーストとベーキングパウダーで発酵させた生地には

台風一過の月夜_d0175338_8551111.jpg

豚肉とエビ 干しシイタケ 生姜 長ネギ等で作ったあんを詰めて。
台風一過の月夜_d0175338_8552233.jpg

炊き込みご飯にするつもりだった栗は
小豆と一緒に蒸して栗おこわに。
台風一過の月夜_d0175338_8553647.jpg


両親共働き家庭の台所を大正生まれの祖母が守る姿に教えられ
18歳になるまで過ごした質素な田舎暮らしは 私の財産かもしれません。
不便だった数日間 ずっと気力も想像力も感性も冴えて
随分楽しめたような気がするのです。

だからといって 不便な暮らしの方が良いというわけではないのです。
便利さに甘えつつ合理的で機能的な暮らしから生み出される時を
もっと大事に扱うことを覚えなければと思うわけです。 

深まっていく秋を思い浮かべながら
なんでもない手仕事を楽しんでみたい。

by petitmugi | 2012-10-03 14:32
<< 布花と葉っぱのチュイール 嵐の前の静かな夜です >>